前夫の自死に向き合う 15

【海に行かない?】

 

「明日、旦那と海に行くんだけど

 一緒に行かない?」

看護学校の友達が連絡をくれました。

 

この海のお誘いがとても嬉しかった。

 

日中は弔問客の対応、夜は真っ暗のアパートに帰ることの繰り返しだった私は海に行ってみたくなりました。

 

でも海に遊びに行くなんて不謹慎な気がしたので

お義父さんとお義母さんには

「明日はお休みします」とだけ伝えました。

お義父さんもお義母さんも毎日私と一緒に過ごすうちに娘のように可愛がってくれるようになり、

私の心労を心配していたので海に行きたいと言えば快く送り出してくれたと思うのですが

周囲からは奥さんは遊んでいて悲しんでないと

また責められるのではないかと怖くなり本当のことが言えなかったのです。

行き先は海だけど

自分を休ませてあげたいというのは

嘘ではなく本心でした。

 

昨日はブログの更新を休んで

娘と近所の子にミシンでお揃いのシュシュや

ヘアバンドを作っていました。

ブログの更新を休んでみたら

そういえば実家に行くのを休んで

海に行ったことがあったなと

この出来事を思い出しました。

 

私は趣味でサーフィンをしていたので

海や波が大好きでした。

(泳げない初心者でしたが

何時間でも海に浮いて波を待つチャレンジャーでした)

 

友達たちは

砂浜でぼーっとしているだけの私を

丸ごとあたたかく受け入れてくれた感じがしました。

海から出てくると

 「何飲む?」「お腹空かない?」

と話しかけてくれて

また自由に海に入りに行く

私はそれを砂浜からぼーっと眺める

そんな距離感が心地よくて

海に来てよかった

この子の誘いを断らなくてよかった

と思いました。

 

この友達たちは夫のことには一切触れず

私を夫を亡くした人としてではなく

私を尊厳あるひとりの人として接してくれました。

この時こんな風に感じたということは

私は普通に接してもらいたかった、

普通に優しくしてほしかったのだと思います。

 

私に連絡をくれる人は

夫の死について聞き出そうとする人

そうではなく普通に接してくれる人

このどちらかに

はっきりとわかれていきました。

 

この友達にはいつか

あの時海に連れ出してもらえたことが

すごく嬉しかったと

改めて伝えたいと思っています。